鉄くじら一丁目

TRPGリプレイ置き場

シノビガミリプレイ『楽園』 第1話

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何処とも知れぬ暗い部屋に四人の忍者が集っていた。
たった一本の蝋燭は彼らの口元のみを浮かび上がらせ、光源と呼ぶには余りにも頼りない。しかし、常に表舞台の陰で暗躍してきた忍者にとってはこの程度で充分、いや、むしろ明るすぎるくらいだろう。

「月読と名乗る忍者に秘伝書が奪われた」

静寂を破るのは部屋の奥から響く声。力強さの中、若干の憂いを帯びている。

「秘伝書があった蔵の番人は再起不能。駆け付けた数十人の護衛も倒された。いずれも手練れだったにも関わらず、だ」

四人は黙って言葉の続きを待った。
命令に多くの情報は必要ない。ただ、獲物の名前が分かればそれでいい。

「月読を倒し、秘伝書を奪還せよ。秘伝の術を決して完成させてはならん!」

そうして忍務は下された。ある者は一礼し、ある者は笑みを浮かべながら音もなく去って往く。どこからともなく吹いた風に蝋燭の火も散らされ、まるで最初から誰もいなかったかのように静けさだけが残った。

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シノビガミリプレイ『楽園』 第0話

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シナリオ名:楽園(シナリオ集『忍秘伝・改』掲載)
現代編/特殊型
リミット:4
プレイヤー人数:5人(NPCをPCに改編。元のシナリオでは4人)
中忍、下位流派可、背景可

※PCは普通の高校生である。忍者としての力を持っているが、「なんだかわからない不思議な力」という認識であり、忍者の世界のことは知らない。
※全員同じ部活(同好会)に所属していること。

 

私立高校清陵学園。
9月30日、文化祭前日。
学び舎は浮つき、否が応でも近づく距離、深まる絆。
青い春の風に素知らぬ顔か、かき乱されるか。

シノビガミ『楽園』

あの子はどちらなのだろう。好きな人って、いるのかな?

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